「コールセンターへの理不尽な暴言に困っている」
「カスハラ対策をしてオペレーターの離職を防ぎたい」
「悪質なお客様に立ち向かう為にできることは?」
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントと同様に、近年問題視されてきているのが「カスタマーハラスメント(カスハラ)」です。
カスタマーハラスメントは顧客による迷惑行為を指す言葉で、電話越しに顧客と応対するコールセンターでも無視できない問題だと言えます。
カスタマーハラスメント対策を行わないと、オペレーターの休職率や離職率が増えてしまうだけでなく、企業の大きな損失へも繋がる為注意が必要です。
コールセンターについて相談する
人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
コールセンター外注を検討の方は、ぜひご相談ください!
カスタマーハラスメントの定義
カスタマーハラスメントとは「要求内容、又は、要求態度が社会通念に照らして著しく不当であるクレームや顧客からの迷惑行為」と言われています。
つまり、顧客から常識を超える過度な要求や暴言などを受けたケースは、カスタマーハラスメントに分類されます。迷惑行為をする顧客は、お金を払う側の有利な立場を利用して、横柄な態度をとってしまうのです。
コールセンターへのカスタマーハラスメントが増える背景
コールセンターにおいてのカスタマーハラスメントによる問題は近年多く発生しており、あまりにも悪質クレームの多いセンターでは、若い女性を採用しないというケースもあるほど問題となっています。
コールセンターでのカスタマーハラスメント増加には、下記のような背景が挙げられます。
◎実店舗の減少による問い合わせ増加
◎顔が見えない間接的コミュニケーション
様々な通信手段の中でも電話は、問い合わせの手間がかからず思ったことをすぐに伝えられることや年齢問わず使いやすいことから電話での問い合わせが集中しやすくなり必然的にコールセンターへ問い合わせが多くなります。
また電話でのやりとりは直截顔を合わせることのない間接的コミュニケーションであることから、自分の顔が見られないことで、顧客がヒートアップしやすい傾向があります。
『カスタマーハラスメン』』と『クレーム』の違い
いわゆる「クレーム」という言葉には、主観的な苦情をぶつけてくるといったネガティブなイメージを持ちがちですが、本来は顧客が要求・希望・期待を主張することを意味し、企業の課題解決や顧客ニーズの反映など、企業にとってプラスに働く情報です。
「お客様」という立場を利用してただ従業員を責めるカスタマーハラスメントと、クレームは内容が大きく異なります。
企業がカスタマーハラスメントを放置するリスク
カスタマーハラスメントに適切に対応できなかった結果、どのような悪影響が生じてしまうのでしょうか。
従業員の休職や離職の増加
オペレーターは顧客の怒りを沈めるため、頻繁に謝罪したり気を遣ったりしなければならなりません。コールセンターの従業員は、常にストレスを感じやすい状況にあります。
カスタマーハラスメント対策やストレスケアが十分でないと、オペレーターは精神的に追い詰められてしまいます。 従業員の新規採用は手間も掛かり、育成コストも必要となります。
更には近年では労働力不足が深刻化しており、十分な人材を確保できないことも考えられる為、人材を確保できない場合は、事業を継続できなくなり事業停止に追い込まれる可能性すらあります。
生産性の低下
カスタマーハラスメントへの対応が長引くと、他の顧客とやり取りする時間が削られてしまいます。
カスタマーハラスメントに遭遇すると、長時間説教をされたり何度も連絡されたりすることが多いです。電話での対応のほか、企業内で対応方法を検討したり警察や弁護士に相談したりするなど、多くの時間や手間が必要です。本来の業務に支障をきたすため、企業の生産性が低下します。
また、カスタマーハラスメントへの対応で従業員が疲弊して本来のパフォーマンスを発揮できなくなることも、生産性の低下につながります。
悪評が広がる
SNSが普及したことで、一般人でも商品やサービスの批評が容易に行えるようになりました。
そのため顧客の発言力が増しており、顧客の要求が不当なものであっても企業が拒絶しにくくなっていることから、顧客に対して適切な対応ができないと悪評が広がってしまうリスクがあります。
顧客がコールセンターの対応が不適切だと感じれば、周囲に批判的な意見を伝えたり、SNSに書き込んだりします。
投稿の内容が事実とは異なる場合でも、悪評が拡散してしまったら企業のイメージを傷つけてしまいます。
カスタマーハラスメントに備えて企業が取るべき対策
決して「お客様」とは言えない悪質なクレームは、実際にどのコールセンターでも起こりうることです。
対応をオペレーター1人にまかせず組織として対処しなければなりません。
カスタマーハラスメントマニュアルを策定する
悪質なクレームがあったとき、その対応フローが固まっていないとオペレーターはどのタイミングでSV(スーパーバイザー)を呼べば良いのかも分からず、長時間拘束されてしまう恐れがあります。
また、暴言を受け続けることで、オペレーターが精神的に疲弊してしまうことも重要な懸念点です。
組織として対応できるよう、センター内で「意見として聞くべきクレーム」とカスタマーハラスメントの境界線を決め、カスタマーハラスメントがあった場合の対応フローを定めておくことが大切です。
有効な方法のひとつは、SVへのエスカレーションする条件・判断基準を定めておくことです。
そのときの相手への伝え方も含めてマニュアル化しておけば、オペレーターはより迅速に切り上げる判断ができるようになります。
顧客と対等な関係構築に努める
コールセンターとしてお客様を大切にすることは勿論大切ですが、顧客と対等な関係性を築くことも重要です。
例えば、顧客からの無理な要望に安易に応じるのではなく無理な要望は拒否できるような企業風土を育てていくことにより、顧客との対等な関係が構築できるようになるでしょう。
「3つのカエル」を意識する
こちらは対策というよりは意識すべき考え方ですが、各コールセンターで対策を立てる上で参考になるものです。
「悪質なクレーマーは人、時間、場所を変えることで沈静化する」という考え方を「3つのカエル」といいます。
怒りで冷静な判断力を失っているクレーマーは、これら3つのいずれかを変えると勢いを削がれる可能性があります。
コールセンターだと場所を変えるのは難しいですが、人と時間は変えることが可能です。「人をカエル」は、上記のSVへのエスカレーションが挙げられます。
人が変わることで怒りを増すケースもありますが、組織で対応する上では毅然と対応することが重要です。「時間をカエル」は、人を変えるタイミングで時間を置くことを指します。
この間にオペレーターから十分な報告を受け、必要であればさらに上長と対応を検討するという必要な時間でもあり、時間をかけることで落ち着かせるという目的もあります。
また、責任者から後ほどかけ直す形にして一度電話を切ることも有効とされます。
悪質クレーマーには毅然とした対応を
悪質クレーマーによるカスタマーハラスメントが近年問題視されていることを受け、有識者検討会を開催するなど、厚生労働省が対策を開始しています。
とは言えセクハラやパワハラに比べてカスタマーハラスメントは規制が難しく、すぐさま有効な法整備がなされる期待は難しいかもしれません。
日々顧客に接していると、思いも寄らないカスタマーハラスメントに巻き込まれることもあります。
特に「顧客の要望を承る窓口」として存在するコールセンターのオペレーターは、標的になりがちです。
企業には従業員を守る義務があります。
全てオペレーター任せにするのではなく、組織として毅然と対応しカスタマーハラスメントに立ち向かいましょう。
コールセンターについて相談する
人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
コールセンター外注を検討の方は、ぜひご相談ください!