コールセンターのCPHとは
CPHとは「Call Per Hour」の略で、ひとりのオペレーターが1時間あたり対応したコールの本数を示す指標です。数値が高いほど効率の良いコールセンターであると評価します。
コール対応は、電話越しに顧客と対応するだけではありません。その後の入力作業や事務処理も伴います。
そういった付随業務を含めて「1本」とカウントするため、オペレーターの能力やシステムの使いやすさ、ワークスペースの働きやすさなどもCPHに反映されます。
CPH算出方法
たとえば、1日あたりの稼働時間が7時間あり、1人で45本の電話に対応した場合、1時間に対応したコール数(CPH)=45本÷7時間 =6.4本となります。
オペレーターが1時間内に対応した通話の本数を示す基準としてカウントされ、CPHが高いほどコールセンター内のオペレーションが効率的に動いているといえるでしょう。
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人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
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CPH以外のコールセンターにおいて重要なKPI
ATT(Average Talk Time)
ATTとは、「Average Talk Time」の略で 1コールを処理するのに必要な平均通話時間のことです。
オペレーターの対応時間を合算し、全体の対応件数で割ると算出できます。
ATTは、短ければよいものでも、長くすればよいものでもありません。
もちろん1件あたりの対応時間が短いほど対応件数を増やせますが、対応内容に対して適切な時間であることが重要です。
ACW(After Call Work)
ACWとは、「After call work」の略で 対応終了後に行っている後処理時間のことです。
オペレーターの作業時間を合算し、対応件数で割ることで算出できます。
基本的に、ACWが短いほど効率的に業務ができているといえるものの、作業内容にミスが多いと意味がありません。
AHT(Average Handling Time)
AHTとは「Average Handling Time」の略で1コールあたりの平均処理時間を示す指標です。
「コール開始」→「コール終了」→「後処理開始」→「後処理終了」という一連の業務フローを、どれくらいの時間で完結できているかを測定しています。
AHT算出方法
たとえば、顧客とのATT(平均通話時間)が300秒(5分)、ACW(平均後処理時間)が120秒(2分)の場合、AHT(平均処理時間)=300秒+120秒=420秒(7分)となります。
1回あたりの平均値が取れていない場合は、以下の計算式で算出することもできます。
通話時間の合計が2400秒(40分)、後処理時間の合計が1200秒(20分)で、処理件数が10件だった場合、AHT=(2400秒+1200秒)÷10件=360秒(6分)となります。
なぜ生産性指標が重要なのか
CPHはひとりのオペレーターが1時間で対応した件数です。CPHが低いということは対応出来ている件数が少ない、つまり業務効率が悪いと考えられます。
もちろんお客様によっては対応時間が長くなってしまう場合もあります。
とはいえ、対応時間については短縮できる可能性があり、1人あたりの業務効率が悪ければその分コールセンターに繋がりにくく、顧客満足度の低下に繋がります。
CPH、AHTを把握し、改善させることはコールセンター全体の品質向上のために重要とされています。
CPHからわかること
CPH、AHTはオペレーター個々の能力だけではなく、コールセンター全体を測る指標でもあります。
分析すると以下のことがわかります。
-オペレーターの能力と評価
-コールセンター全体の生産性
CPHの低下は、コールセンターに改善点があるサインといえます。
CPHを確認する際の注意事項
CPHはコールセンターにある問題点がわかる指標ですが、ただ数値を見るだけでは改善につながりません。
CPHを確認する際は、以下2つの注意点に気を付けながら確認しましょう。
単純に数字だけを見て判断しない
CPHは電話の受け答えだけでなく、その後の処理も関係します。CPHが示す数値だけでは、何が問題なのかまではわかりません。
CPHの低下を確認したとしても、やみくもにオペレーターの努力目標を設置したり、指導を行ったりするのは避けましょう。
的外れな改善はかえってCPHの低下を招きます。CPHの低下を確認したときは、まずは原因を探ることが大切です。
必ず分析する
CPHが低下する原因としては、主に下記3つがあげられます。
-オペレーターの数が適正ではない
-電話対応が長い
-後処理のシステムが使いにくい
原因がどこにあるのか分析を行ったうえで、適切な改善策を実行しましょう。
CPH改善方法
ATTを改善する
オペレーター1人あたり平均通話時間(保留含む)のことをATT(Average Talk Time)と言いますが、改善するには、まずオペレーターの電話対応をモニタリングし、問題がないかチェックすることがおすすめです。
通話時間が長くなる原因を突き止めて、その原因を解消する対策を考えるとATTが改善され、CPHも向上します。
ACWを改善する
電話対応が終わった後に発生する後処理時間のことをACW (After Call Work)といいますが、ACWが長い原因は一般的に以下のようなことがよく挙げられます。
-タイピングスキルが低い
-ツールやシステムが使いにくい
-ログに残さなくてはいけない情報が多い
-マニュアルが整備されていない
システムを整備する
システムの整備はオペレーターの業務負担を軽減させ、生産性向上に繋がります。
PCと電話を統合し、顧客情報の閲覧や自動音声録音を実現するCTI、顧客情報や応対履歴の共有が可能となるCRM、スーパーバイザーがオペレーターの状況を確認してアドバイスできるモニタリング機能などを利用し、後処理業務を効率よく完了できます。
とはいえ、CRMでの入力項目が多いとミスも増え、生産性も上がらないためCRMの構築については必要な情報、不要な情報をしっかりと整備したうえで行うことをおすすめします。
スタッフの研修
CPHはオペレーターの問い合わせ対応能力が不十分な場合にも低下がみられます。
オペレーターの対応がスムーズにいかない場合や、システム操作に慣れていない場合は、改善のための研修を行いましょう。
オペレーター研修はATTの短縮にも役立ちます。
-お客様対応のロールプレイング研修
-システム操作の研修
-タイピング研修
オペレーターの研修を行う場合、能力の低いオペレーターのみに研修を行うのではなく、コールセンターに所属しているオペレーター全員で行いましょう。オペレーター全員で研修を行うことで、コールセンター全体の能力を平均化でき、品質向上にも繋がります。
まとめ
コールセンターのCPHとはどのような指標か理解でき、コンタクトセンター運営に活用できるようになったかと思います。
コールセンターにおける生産性は運営するセンターに求められる機能や取り扱う商品・サービスによってその内容は異なります。
大事なのはあくまでもお客様に満足いただける対応を提供することです。
また、対応件数は会社の利益にも直結するためその前提を意識したうえで、どの程度の対応時間が必要なのかを把握し、改善できる部分から取り組んでいくといいでしょう。
コールセンターについて相談する
人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
コールセンター外注を検討の方は、ぜひご相談ください!