コールセンターの稼働率とは、オペレーターの稼働時間のうち顧客との通話や後処理、待機時間など顧客に費やしている時間の割合を指します。
稼働率が高いとオペレーターの稼働時間の多くを顧客対応に費やしていることになります。逆に稼働率が低いと顧客対応をしていないオペレーターが一定数いることになり、シフト管理や人員配置の見直しが必要となります。
コールセンターが適正に稼働しているか知る為に、「稼働率」を把握し、応答率や占有率について理解することが重要となります。
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人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
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コールセンターの稼働率とは
冒頭でも説明した通り、稼働率とはオペレーターが勤務する時間のうち、顧客対応した時間の割合を示す指標となります。
顧客対応にかける時間は、通話時間、保留時間、後処理時間、電話待機時間が含まれます。稼働時間は給与支払いが発生する時間のことで、昼休みなど無給休憩は含みません。
この算出方法を使えばオペレーター個人の稼働率だけでなく、コールセンター全体の稼働率を求めることも可能です。1日の稼働率は状況によって異なるので、月間稼働率を取得して現状や推移を把握すると良いでしょう。
占有率とは
占有率とはオペレーターが稼働している時間の中で、実際に顧客対応をした時間の割合を示します。稼働率との大きな違いとして、あくまで占有率は顧客対応にのみフォーカスする為、非生産時間を含まない点が上げられます。
占有率が高いとオペレーターの待機時間(受付可能時間)は少なく、適切なオペレーター配置が出来ていることになります。一方で、占有率が低いとオペレーターの待機時間が長く、入電に対してオペレーターが余っている状態だと言えます。機時間の増減に反比例する形で占有率も上下します。適切な占有率の目安は76~87%が目安とされており、占有率が適切だと、正しく人員配置されていると判断できる状態となります。
稼働率・占有率と応答率の関係性
応答率とはコール数に対しオペレーターが対応できた入電の割合を示します。コールセンター業務においては、目標の達成度合いを測るKPIとして設定されることも多く、非常に重要な指標のひとつとして認識されています。
稼働率や占有率だけではコールセンターの入電に対して適切な処理が出来ているか把握できない為、応答率も併せて把握することで電話が繋がりやすい状態を維持できているか分かります。
稼働率・占有率が高くても応答率が低い場合は入電の集中などによりオペレーターが対応しきれていないことになります。
稼働率が低いが、占有率が高く、応答率が低い場合は、非生産時間が多すぎるので非生産時間を生産時間に回すことを検討する必要があります。
稼働率・占有率ともに低くても応答率が高い場合は、オペレーターが余っている状態なので、オペレーターの配置の見直しを検討する必要がでてきます。
稼働率・占有率・応答率全てが高い場合は、コンタクトセンターがフル稼働しておりオペレーターが全力で入電に対応している状態なので、センター全体の稼働を見直す必要があります。
このように、稼働率・占有率・応答率を一緒に把握することで、コンタクトセンターの課題や現状が把握しやすくなります。
稼働率の理想
稼働率は高すぎれば良いものではありません。一般的にコールセンターの稼働率の適正値は80%~85%とされています。ただし、稼働率の適正値に関しては、センターごとの特性によっても異なるので、これはあくまで目安とされている指標です。
例えば、稼働率が高いということは、オペレーターは稼働時間の多くを顧客対応に充てていることになります。そうなると、必要なフォローアップ研修や品質フィードバックが行われていない可能性があり、顧客満足度の低下を招く恐れがあるでしょう。
反対に、稼働率が低い場合、オペレーターは顧客対応以外のことに多くの時間を割いていることになり、非効率なコールセンター運営がされている可能性があります。
しかしながら、日々提供する情報に変更が発生したり、常に高い応対品質が求められるコールセンターでは、一定の非生産時間が必要となります。
無理に稼働率を上げようとすると、応対品質が下がってしまいかねません。
このように、稼働率が高ければ高いほどいいというわけではなく、コールセンターに応じてバランスの取れた比率を保つことが重要となります。
稼働率・占有率を最適化する為に
稼働率や占有率は高すぎても低すぎても問題があり、適正に保つことが重要となってきます。
下記にてコールセンターの稼働率や占有率を適正に保つ為のコツをご紹介いたします。
オペレーターを適正人数にする
稼働率や占有率を管理するには、オペレーターの適正な人員調整が欠かせません。
入電が少ない日にオペレーターを多く配置してしまうと占有率は低くなり、入電が集中する日にオペレーターが不足していると占有率は高くなり、非生産時間に充てられる時間が少なくなるため、稼働率も高くなります。人員配置の予測を誤ると適切な稼働率や占有率を保つことが難しくなり、生産性や顧客満足度の低下につながってしまいます。
待機時間の有効活用
待機時間を有効活用して、従業員のスキル向上を目指します。席で学習できる環境を構築したり、研修を実施したり、データ入力等の業務を行っていくことで入電数が少なく、待機時間が長くなる時に時間を効率的に活用し稼働率の向上に繋げられます。
詳細なステータス管理
稼働率を正確に把握する為、こまめなステータス管理が大切となります。下記、ステータス例をあげます。
- 通話中
- 着信中
- 後処理作業中
- 離席中
- 研修中
- 休憩中
しかしあまり細かすぎるとオペレーターのステータス入力作業が増え、長続きしない可能性がある為、ステータスは最大でも10個程度がいいでしょう。また、普段電話に出ないSVについても、ステータス管理は大切です。どの業務をどのステータスとするかのルールを決めて入力すると、より正確に稼働率が算出できます。
IVRの活用
自動音声応答システムのIVRを活用することも1つの方法となります。IVRは顧客がプッシュ操作をすることで、事前に録音しておいた音声が再生される仕組みとなっており、導入することで下記内容が対応可能となります。
- 有人対応と無人対応の切替
- 無人での自動受付
- 時間外の対応
- 折り返しでの電話対応
例えば、有人対応と無人対応の切替ができるようになれば、簡単な問い合わせは自動応答で解決できるようになりオペレーターにつなぐ入電を選別することが可能です。また、自動応答で時間外対応ができるようになれば休日明けの入電集中を防ぐことができ、適切な稼働率を保ちやすくなるでしょう。このように、オペレーターの負担を軽減しながら多くの入電に対応できるシステムを整えることで、応答率を向上させながらも適切な稼働率が維持できるようになります。
稼働率と占有率の適切管理
稼働率・応答率・占有率は、それぞれ測定する領域こそ異なるものの、いずれもコールセンター業務の改善を図るうえで押さえておくべき重要な指標です。
- 稼働率はコールセンターの人員配置やスケジューリングの最適化に役立ちます
- 占有率はコールセンターの応答率やコミュニケーターの負荷を評価するのに有効です
コールセンターの稼働率と占有率を適正に管理することで、コールセンターの業務効率や顧客満足度を向上させることができるでしょう。
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人手不足やコールセンター運営のノウハウ・経験がない、業務の効率化をしたい、そういった課題を持っている企業の多くはコールセンター業務の代行・委託をしています。
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